ホテルフロントはブラック?働きたいけど実際どうなの?

ホテルフロントは、お客様が最初に接する担当者であり、印象や体験に大きな影響を与えるため、ホテルの顔と言われるポジションです。華やかなイメージがある一方、ブラックとの噂もありますが、実際どうなのでしょうか?やりがいがあり楽しく働ける環境なのか、それとも働くには厳しいのか。今回はホテルフロントの仕事内容や、メリットデメリットを紹介メリットデメリットを紹介していきます。

1.ホテルフロントの仕事内容

ホテルフロントといえばどのような仕事内容が割り当てられているのかみていきましょう。大きく分けて4つの分野があります。

予約管理

フロントは、お客様に直接対応するだけでなく、ネット予約管理なども行います。予約の確認、変更、キャンセル対応を行い、お客様の人数や予約状況に合わせて部屋の割り当てを考えます。予約の管理はパソコンでの業務になるので、パソコンの操作方法を知っておく必要があります。

チェックイン・チェックアウト業務

お客様が到着した際、予約確認をしてルームキーの使い方、ホテル施設のご案内をします。必要に応じてベルボーイなど他部署との連携もホテルフロントが中心となって行います。お客様がお帰りの際には、ミニバーやルームサービスなどお部屋に清算をつけていたものを確認し、お会計をした後ルームキーをご返却いただき、お見送りをします。ほとんどの時間を立ちっぱなしで過ごすことになる為、体力的に厳しい仕事です。最初は大変な作業に見えるかもしれませんが、時間と共に慣れていきます。

受付業務

ロビーでの受付業務では、お客様の要望や質問に迅速かつ丁寧に対応します。食事やアメニティに関する要望や疑問以外に、クレーム対応などマニュアル通りでは済まないこともありますが、常にお客様のことを考え、気持ちよく過ごしてもらえるように、真摯な対応が求められます。

電話対応

ホテルへの電話に対し、予約の受付やお問い合わせに迅速かつ適切に応じます。電話オペレーターのない小規模ホテルでは、フロントスタッフが内線と外線電話の両方に対応することもあります。大きなホテルになると、テレアポ専門の部署があるのでフロントが内線外線対応をすることはありません。臨機応変に対応する必要がある為、幅広い知識と判断力を養っておく必要があります。また、顔の見えない電話対応では、言葉遣いや声のトーンにも注意が必要です。

2.1日のスケジュール

ホテルフロントは24時間の対応が必要なため「早番」「遅番」「夜勤」といった交代制で勤務します。どのシフトに入るかによって1日の流れも変わってきます。今回は早番と夜勤の場合の例をご紹介します。

下記は「早番」の場合の一例です。

・7:00~8:00 出勤とミーティング
本日の担当業務の共有や夜勤スタッフからの引き継ぎを行い、お客様からのご要望などを 確認します。

・8:00~10:00 カウンター業務開始
予約の確認、新規予約の受付、チェックアウト業務
この時間帯のフロントは特に混雑します。

・10:00~12:00 お客様対応
観光案内や館内サービスの説明、電話対応、予約管理などを行います。

・12:00~13:00 休憩や昼食
代制で昼休みをとります。

・13:00~17:00 午後の勤務スタート
午後になるとチェックインのお客様がいらっしゃる為、その対応に追われます。
他の部署のスタッフの人たちと連携してお客様をおもてなしします。

・17:00 勤務終了
交代するスタッフへ仕事を引き継ぎます。

下記は「夜勤」の場合の一例です

・16:00~17:00 出勤とミーティング
本日の担当業務の共有や夜勤スタッフからの引き継ぎを行い、お客様からのご要望などを 確認します。

・17:00~20:00 カウンター業務開始
予約の確認、新規予約の受付、チェックアウト業務
この時間帯のフロントは特に混雑します。

・21:00~22:00 休憩や夜食
交代で休憩をとります。

・22:00~0:00  お客様対応
観光案内や館内サービスの説明、電話対応、予約管理などを行います。

・0:00~3:00 清掃や予約システム更新
チェックイン業務が終了し、清掃や予約システムの更新をします。

・3:00~7:00 翌日の準備
早朝のチェックアウトや翌日のチェックインの準備などを行います。

・7:00 勤務終了
交代するスタッフへ仕事を引き継ぎます。

3.職業としてのメリット・デメリットは?

ホテルフロントの仕事には、たくさんの魅力があります。さまざまなお客様と直接関わり、やりがいが得られる一方で、大変な部分もありますのでチェックしておきましょう。

メリット

お客様の笑顔

多くの方に感謝していただける仕事である為、心を豊かにしてくれます。対面で直接感謝の言葉を頂いたり、口コミで評価を頂くことは日々のモチベーションにも繋がります。

語学スキルの向上

近年、日本を訪れる外国人観光客の数が急速に増えており、様々な言語を使って対応することになります。実践的な語学力を身につけることによって、キャリアの幅を広げることができます。

成果を感じやすい

ホテル全体の業務に携わり、各部署との連携やコミュニケーションを通じてホテルを円滑に運営できることで、自身の貢献度を感じられるだけでなくホテルの成果にも直接的に影響を与え、大きなやりがいを感じられます。

トラブルシューティングスキル

日々様々なお客様との対話や業務遂行において、予測できない状況や問題が発生します。その際、即座に問題に対処する必要がある為、トラブルシューティングスキル向上につながります。

デメリット

不規則な勤務時間

ホテルは通常24時間営業であり、フロントスタッフは早朝や深夜、週末や祝日といった非常に不規則な勤務時間になりがちです。これが生活リズムの不安定さや十分な休息の難しさに繋がります。

ストレスやプレッシャー

フロントスタッフは予測できない状況やトラブルに迅速かつ適切に対処する必要があり、これに高いストレスとプレッシャーを生むことがあります。混雑した時期や予期せぬ問題が発生すると、業務が急激に増加し、対応に追われることがあります。

ホテルに不備があった場合、仮に原因が他部署にあったとしてもお客様にとってはフロントがその窓口になる為、理不尽なクレームを受けることもあるようです。

4.やりがい

ホテルフロントの仕事は、多くのやりがいを持つ職種です。業界出身者や現役スタッフからは以下のような声が聞かれます。

・お客様から直接感謝される
・外国語のスキルを活かせる
・異文化交流
・自分自身のスキル向上
・様々な分野のプロと働ける

ホテルフロントの仕事は、常に向上心を持って取り組むことができ、非常にやりがいのある楽しいものと言えるでしょう。スタッフが気持ちよく働くことのできるホテルは、お客様満足度も高いです。

特に、ホテルマンとしてやりがいを感じる瞬間は、お客様からの「ありがとう」という言葉です。直接感謝の気持ちを伝えられた時や、ホテルにあるアンケート用紙で名指しで褒められた時は、ホテルマンとしての誇りを感じ、より良いサービスを提供するためのモチベーションになります。

5.どんな人が向いてるのか?

接客業ですので人と接するのが好きな人、人を喜ばせるのが好きな人におすすめです。しかし、苦手な方でも練習をし、経験を積むことですぐに慣れてくると思いますので問題ありません。そこでホテルフロントに向いている人の特徴を3点ご紹介します。

コミュニケーション能力

ホテルフロントは、お客様とホテルの間の最初の接点であり、ここでのコミュニケーションが印象を大きく左右します。お客様との円滑な対話が求められるため、コミュニケーションが得意な人が適しています。

忍耐強さ

時にはクレームや問題が発生することもありますが、冷静かつ迅速に解決する能力が求められます。お客様の期待に応え、プロフェッショナルにサービスを提供する姿勢が必要です。

臨機応変な対応力

状況に応じて柔軟に対応し、お客様にとって最良の解決策を見つける能力が求められます。また、親しみやすさや笑顔も大事で、おもてなしの心を持っていることが好まれます。

6.ホテルフロントで働くには?

ホテルは資格がなくても働くことが可能です。資格は必要ありませんが、ホテル受付として働く適性や、スキルの有無を問われることが多いです。以下の資格はとっておくとプラスに働く場合があります。

・ホテルビジネス検定
・マナー プロトコール検定
・ユニバーサルマナー検定
・秘書検定
・TOEIC

資格取得を目指して勉強する中で、ホテル業界への理解が深まり、具体的に仕事内容をイメージできるようになれば、就活における応募先選びや志望動機の作成にも役立ちます。

また、学生時代などにレストランや、カフェ、小売店等の接客やサービス業に関するアルバイト経験をしておくとコミュニケーション能力やサービス思考のスキルを磨くのに役立ちます。

そのほかにも、英語などの外国語を習得しておくと、外国のお客様に対応するホテルフロントにとっては非常に有利です。

7.ホテルマンの年収は?

ホテルフロントは華やかで高級感のある仕事です。年収は実際どれくらいの額なのだろうと疑問に思っている方もいると思います。求人ボックス給料ナビによると、ホテルマンの平均年収は326万円、平均月収は約27万円と報告されています。ホテルマンは日系ホテルと外資系ホテルで初任給が異なる場合があり、外資系ホテルの方が給与が高めに設定されている傾向があります。日系ホテルの場合は、5年から10年ほどの長い年月をかけて役職を上げると支配人になれる可能性もあります。仮に支配人になれば年収1,000万円も夢ではありません。業務レベルや仕事量の多さを考えると、収入はやや低く感じるかもしれません。しかし、ホテル業界は福利厚生が手厚い傾向にあります。ホテル業界への就職・転職を考えているのであればa待遇面は給料や福利厚生などトータルで考えて判断しましょう。

8.まとめ

今回はホテルフロントの仕事内容、実際の1日の流れについて紹介しました。ホテルフロント業務には、他の仕事では味わえないやりがいがあります。魅力を感じた方は、ホテルフロントを目指してみませんか?