ホテリエとは?仕事内容や給与などを徹底解説

皆さんはホテリエという言葉をご存知でしょうか?ホテリエはホテル業界に欠かせない存在です。今回はそんな「ホテリエ」について徹底解説します!

記事の目的
ホテリエについて詳しく知る。

1.ホテリエとは?

ホテリエとは、ホテル業界で働く従業員全般を指す言葉です。世間一般ではホテルマンと呼ばれることが多いですが、これはあくまで男性のホテル従業員を指す言葉です。そこで、近年、性別に関わらずホテル業界の従業員を指す言葉としてフランス語の「ホテリエ」という言葉が使われるようになってきました。ホテリエはフロントデスクでの対応、ゲストサービスの提供、ホテルの運営管理など多岐にわたる業務を行います。優れた接客スキルとホスピタリティ精神が求められ、ホテルの顔として重要な役割を担っています。

2.ホテル業界とは

まずは、ホテル業界の市場規模や、魅力、ホテル業界に求められていることなどあらゆる観点から解説していきます。

ホテルで働く魅力

ホテル業界とは、お客様(ゲスト)に対して宿泊サービスを提供する業界のことです。あなたの接客でホテルを訪れるゲストを笑顔にさせることができる、そんな魅力あふれる仕事です。またホテリエは、語学力やチームワーク、観察力などを様々なスキルを活かして活躍することができます。

よくホテリエの仕事はきついと言われます。事実、コロナ禍が明け、ホテル業界の人手不足が深刻化しています。しかし、最近ホテル業界全体で少しでもホテリエを増やそうと、労働環境の改善が積極的に行われており、以前と比べて格段に働きやすい環境となっています。他にも、福利厚生やグループ内のホテル(一部は国内外)に社員価格で宿泊できる社割制度なども充実しており、中には寮やご飯の提供があるホテルもあります。ホテル業界では人手不足を解消するため、ホテリエが安心して働けるような環境作りを行っている企業が多いことも魅力の一つです。

拡大するホテルの市場規模

厚生労働省の調査によるとコロナ前の2019年は、日本全国で5億9592万人が宿泊していましたが、コロナ禍で2020,2021年度は3億人程度に落ち込みました。その後はインバウンド需要も高まり、4億5000万人(2022年度)と回復しています。日本の人口が1億2000万人ですから、非常に大きい市場であることが分かります。

その分、これらの観光客を受け入れるために数多くのホテリエが必要です。この記事を見ているあなたも、ホテリエとして活躍する舞台がたくさんあることがお分かりいただけたと思います。

ホテル業界に求められること

ホテル業界は社会や市況の変化に大きく影響を受ける業界です。ホテルに求められるニーズはコロナ前、コロナ禍、コロナ後で大きく変化しました。コロナ以前は、とにかくたくさんの方に宿泊いただくといったように、高い回転率を求められていたのが、コロナ禍で人同士の接触の少ないプライベートな空間、コロナ禍が明けた最近では空間や体験などの独自の付加価値が求められ、ホテル業界のトレンドも変化してきました。

経営面では、コロナ後に堅調な回復を見せているホテルが多いことや、宿泊以外のサービスで業績を伸ばすことで経営の安定化を図ってきたホテルも多くあり、時代の流れに合わせて事業や方針を柔軟に変えてくことが求められています。

3.ホテリエの役割

ここからはホテリエについて詳しく解説していきます!ホテリエとはホテルで働く従業員全般を指す言葉で、様々な仕事をする人がいます。ここではホテリエを主に5部門に分けて、どのような職種があるのかについて解説します。

宿泊部門

宿泊部門はゲストの受付や予約状況の把握などを担う部門で、ゲストが最も接する時間の多い職種と言えるでしょう。ホテルに到着したゲストが最初に接する部門です。そのため、ホテルの第一印象に大きく影響を与えるとても重要な仕事です。

主な仕事:ドアマン、フロント、ベルパーソン、コンシェルジュ

料飲部門

料飲部門はホテル内のレストランやバーなどでゲストの接客をしたり、ルームサービスを提供したりする役割を担う部門です。宿泊部門とともにホテルのイメージに関わる非常に重要な仕事で、専門的な技術も必要とされます。

主な仕事:レセプショニスト、ウェイター、バーテンダー、ルームサービス

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宴会部門

宴会部門は、ホテルで開催される宴会や結婚式などの、セッティングや食事の提供などを行う部門です。
人生に1度きりの、貴重なイベントに携わることも多いため、高いクオリティの接客サービスが求められます。

主な仕事:宴会予約管理、宴会サービス

調理部門

調理部門はホテル内のレストランでゲストに提供する料理をつくる部門です。扱う料理によって専門分野が異なる調理スタッフが必要であるため、その分野の専門的な知識があると優遇されることもあります。

主な仕事:シェフ、ブッチャー(肉のカット専門)、パティシエ(スイーツ専門)、ガテマンジャー(冷製料理専門)

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営業管理部門

営業管理部門はホテルが円滑に運営できるように管理したり、より多くのゲストに宿泊してもらうための広報やセールスを担います。
普段ゲストの前に姿を現すことはあまりないですが、縁の下の力持ちとしてホテルのブランド価値の向上や売上成長を牽引する、非常に重要な仕事です。

主な仕事:セールス、企画マーケティング、総務、人事

4.ホテリエになるには

ホテリエになるには、専門知識を学んだあとにホテルに就職する方法と、未経験の状態でホテル業界に飛び込み経験を積んでいく方法の主に2通りあります。ここからはホテリエになる方法について詳しく解説します。

専門学校での学び

1つ目は、専門学校や大学で観光のことやホテルに関わる専門知識を習得したのちに、ホテル業界に就職するという方法です。学校では希望の職種に合わせてサービス、調理、営業マネジメント等の専門分野のほか、ビジネスマナーや英語などの基礎的な知識について学びます。この方法の最大のメリットは、学校が就職のサポートをしてくれるところです。職場の前評判や面接対策などのサポートを受けることができ、自分にあった職場が見つけやすい環境が整っています。

求人サイトから直接応募

2つ目は、未経験の人やしばらくホテル業界から離れていた人が求人サイトから直接ホテルに応募して就職するという方法です。未経験であってもホテリエの仕事の多くは現場での経験を積むことで習得できる場合が多くあります。そのため、事前に専門的な知識が無い場合でも興味があれば思い切って応募してみることをおすすめします。in the HOTELはホテルの雰囲気やカルチャーをより深く知ることができるため、働くイメージがつきやすいことが特徴です。

ホテルに興味がある方は、まずは様々なホテルを探してみることから始めましょう!

5.ホテリエの一日

ホテリエの一日について、代表的な職種の1つであるフロントを例にとってご紹介します。

6.ホテリエのキャリアパス

ホテリエには様々な職種があるため、自分がどのようなキャリアを送りたいかを悩む方も多いと思います。将来のなりたい像から逆算して、ホテリエとしてどのようなキャリアを歩んでいくのかを考えることが重要です。ここでは、代表的なキャリアの例を3つご紹介します。

マネージャー職

ホテリエとしての経験を積むことで、フロントデスクマネージャーや宿泊部門マネージャーなどの管理職に昇進することができます。マネージャーは、主にスタッフの指導やトレーニング、運営全般の管理を行います。昇進してホテルをマネジメントをしたいと考えるホテリエが目指す姿です。多くの場合は、幾度もの転職を経て職位をあげていくことになります。

スペシャリスト職

コンシェルジュやイベントプランナーなど、特定の分野で専門的なスキルを活かすキャリアもあります。スペシャリストは、特定のニーズに対して高い専門性を持って対応します。国内でも数が限られるような極めて専門的なホテリエになることができれば、あなたに来るオファーの待遇は非常に良いものとなります。代表的なものにシェフやバトラーなどがあります。

海外でのキャリア

外資系ホテルチェーンで働くことで、海外でのキャリアを築くことも可能です。語学力や異文化理解を活かして、国内外様々な環境で活躍できます。例えば、日本ではコンシェルジュの業務をフロントが兼任する場合が多く、プロのコンシェルジュとして働ける場所が限られています。一方で、海外ではコンシェルジュを独立した職種として設けているホテルが多く、希望に沿った形で働くことができます。語学力を磨く必要はありますが、海外でのキャリアは可能性を大きく広げるきっかけとなり、志すホテリエが多いです。

7.ホテリエの給与事情

ホテリエの給与は、経験や役職、勤務地によって大きく異なります。一般的には、キャリアを積むことで年収が増加します。以下に給与の目安を紹介します。

新人ホテリエの給与

新人ホテリエの年収は、約200万円から300万円です。ホテル業界での経験を積むことで、給与が増加していきます。

引用:doda

30代のホテリエの給与

マネージャーや部門シェフのような、中堅ホテリエの年収は、約300万円から500万円です。役職や勤務地によって異なりますが、経験とスキルに応じて昇給の機会があります。

管理職の給与

管理職の年収は、約600万円以上です。フロントデスクマネージャーや宿泊部門マネージャーなどの管理職は、高い責任とリーダーシップが求められるため、給与もそれに見合ったものとなります。

8.ホテリエの魅力

ホテリエの仕事は、多くの魅力を持つ職種です。
ホテリエには様々な魅力があります。業界出身者や現役スタッフからは以下のような声が聞かれます。

・お客様から直接感謝される
・外国語のスキルを活かせる
・異文化交流
・自分自身のスキル向上
・様々な分野のプロと働ける

ホテリエの仕事は、常に向上心を持って取り組むことができ、非常に魅力のある楽しいものと言えるでしょう。スタッフが気持ちよく働くことのできるホテルは、お客様満足度も高いです。

特に、ホテリエとしてやりがいを感じる瞬間は、お客様からの「ありがとう」という言葉です。直接感謝の気持ちを伝えられた時や、ホテルにあるアンケート用紙で名指しで褒められた時は、ホテリエとしての誇りを感じ、より良いサービスを提供するためのモチベーションになります。

9.ホテリエに必要なスキル

ここまでホテリエについての概要をお話しましたが、ホテリエとして成功するためには様々なスキルが必要となります。今回は多くのホテリエに共通する必要なスキルを5つ紹介します。

コミュニケーション能力

優れたコミュニケーション能力は、ホテリエにとって不可欠です。ゲストとの円滑なコミュニケーションは、満足度を高めるための鍵となります。例えば、調理スタッフなどのように接客が無い職種であったとしても、チームワークが必要となるため会話が重要となります。

ホスピタリティ精神

ホスピタリティ精神を持って、ゲストに対して親切で丁寧な対応を心がけることが重要です。ゲストのニーズを察知し、適切なサービスを提供することが求められます。

問題解決能力

ホテルの仕事では、さまざまな問題が発生することがあります。特に団体のゲストが到着した時や悪天候の際などに迅速かつ適切に問題を解決する能力が求められます。柔軟な対応力と冷静な判断力が重要です。

語学力

昨今のホテル業界ではインバウンド観光客の大幅な増加により特に外資系のホテルチェーンなどで海外からのゲストの割合が増えています。そのため語学力の重要性が日に日に増しています。英語をはじめとする外国語を習得することで、海外のゲストに対しても円滑に対応することができます。

チームワーク

ホテル業務は、多くのスタッフと連携して行う仕事です。チームワークを重視し、他のスタッフと協力して業務を遂行することが求められます。チームワークにおいて最も重要なことは各々のポジションを確定させることです。チームで効率的に仕事を行うには誰がどの仕事をするのかを確定させることが必要です。そのため、各ホテリエのポジションを確定し、担当する範囲を決めることがチームワークのスキルを高める第一歩となります。

10.まとめ

ホテリエは、多岐にわたる仕事があり、高いおもてなしが求められる職業です。専門学校や大学での学習、実務経験を通じて、必要なスキルと知識を習得することが重要です。マネージャーとしてホテルをマネジメントしたり、スペシャリストとして特定のスキルを極めて活躍するなど、多様なキャリアパスがあることも魅力的です。

ホテリエの仕事に興味がある方は、まずは興味のあるホテルや職種を探してみてはいかがでしょうか。ホスピタリティ精神を持って、多くのゲストに素晴らしい体験を提供するホテリエを目指してみてください!