ホテル業界は、魅力的で人気が高い業界である一方、選ぶホテル、企業によっては、高い競争率も特徴です。 ただ単にホテルで働きたいという気持ちだけでは、多くの応募者の中から選ばれるのは困難です。そこで重要となるのが、志望するホテルへの深い理解と、そのホテルだからこそ実現できるキャリアへの熱意を伝えることです。
ホテル業界は、同じような業務に見えても、企業によってサービスの内容や企業文化が大きく異なるため、特定のホテルを志望する場合は、そのホテルならではの強みや魅力を捉え、自分のキャリアプランと結びつけることが大切です。 企業理念や組織風土を深く理解し、そのホテルでしか得られない経験を通して、どのように成長したいのかを具体的に伝えることで、あなたの志望の誠意をアピールすることができます。
そこで、ホテル業界への第一歩を踏み出すために、自分の想いを言葉にする「志望動機」。この記事では、例文を交えながら、あなただけの魅力的な志望動機を作成する方法を徹底解説します!
この記事の目的
ホテル業界の志望動機の書き方や盛り込む内容を理解し、ホテルに受かる志望動機を作成できるようになる。
ホテル業界とは?
ホテル業界が気になるけど、きちんとした環境で働けるの?と不安に思う方のために、ホテル業界がどんな業界かまとめてみました。ホテル業界の魅力や労働環境、ホテルマンに求められていることなどについて解説します。
ホテル業界で働く魅力って何?
ホテルはお客様に対して宿泊サービスを提供します。あなたの接客でホテルを訪れるゲストを笑顔にさせることができる。そんな魅力あふれる仕事です。またホテル業界で働く「ホテリエ」は仕事を通して、語学力やチームワーク、観察力などを磨き、待遇を上げることもでき、ただホテリエとして働くだけでなく、自らの成長もできる職業となっています。
よくホテリエの仕事はきついと言われます。事実、コロナ禍が明け、ホテル業界の人手不足が深刻化しています。しかし、最近ホテル業界全体で少しでもホテリエを増やそうと、労働環境の改善が積極的に行われており、以前と比べて格段に働きやすい環境となっています。他にも福利厚生やグループ内のホテルに社員価格で宿泊できる社割制度なども充実しており、中には寮やご飯の提供があるホテルもあります。ホテル業界では人手不足を解消するため、ホテリエが安心して働けるような環境作りを行っています。
ホテル業界の市場規模はどうなっている?
コロナ前の2019年は、日本全国で5億9592万人が宿泊していましたが、コロナ禍で2020、2021年度は3億人程度に落ち込みました。その後はインバウンド需要も高まり、4億5000万人(2022年度)と回復しています。日本の人口が1億2000万人ですから、非常に大きい市場であることが分かります。
その分、これらの観光客を受け入れるためのホテリエの数も多く必要で、この記事を見ていただいたあなたがホテリエとして活躍できる舞台は多くあります。
ホテル業界に求められるニーズの変化
ホテル業界は社会や市況の変化に大きく影響を受ける業界です。ホテルに求められるニーズはコロナ前、コロナ禍、コロナ後で大きく変化しました。
コロナ以前はとにかくたくさんの方に宿泊いただくといったように、高い回転率を求められていたのが、コロナ禍で人同士の接触の少ないプライベートな空間、コロナ禍が明けた最近では空間や体験などの独自の付加価値が求められ、ホテル業界のトレンドも変化してきました。
経営面では、コロナ後に堅調な回復を見せているホテルが多いことや、宿泊以外のサービスで業績を伸ばすことで経営の安定化を図ってきたホテルも多くあり、ホテル業界で働く人「ホテリエ」が安心して活躍しやすい環境が整いつつあります。目まぐるしく変わる社会に合わせて、柔軟に対応を変えなければいけないのはどの業界でも同じです。
特にホテル業界では、上手く社会の変化に対応できるホテリエはその観察力が評価されて、非常に重宝されます。
ホテル業界の仕事
ホテル業界の宿泊部門では、ゲストに最高の滞在体験を提供するための様々な役割があります。主にフロント業務、予約対応、チェックイン・チェックアウトの手続き、問い合わせ対応などが含まれ、細やかな気配りや迅速な対応が求められます。また、宿泊部門の仕事は直接お客様と接する機会が多く、ホテルの印象を決定づける重要な役割です。
宿泊部門で活躍するためには、おもてなしの心、コミュニケーション能力、問題解決力などが不可欠です。これらのスキルについて詳しく知りたい方や、宿泊部門での具体的な業務内容をもっと深掘りしたい方は、以下の記事で詳細を確認してください。
- 宿泊部門の仕事内容と求められるスキル
宿泊部門の魅力や具体的な仕事の内容を理解し、自分の強みがどのように活かせるかを考えることで、より効果的な志望動機を作成することができますよ!
評価される志望動機で盛り込むべき3つのポイント
就職活動をする人にとって、志望動機は就職を希望するホテルへ自分をアピールする場です。そこで説得力のある志望動機を考える上で大事なポイントを3つ紹介します。
1.なぜ接客の仕事がしたいと思ったのか? (自己分析)
ホテル業界は一部を除いてそのほとんどが接客を伴う仕事です。そのため、接客業への興味を示すことができないと、宿泊業界に向いてないと判断され、不採用になってしまう可能性があります。接客を通してゲストを楽しませたいという思いがホテル側に伝わるような志望動機が書ければ、採用の確率がぐっと上がります!
接客の仕事に憧れがあることを伝えるエピソードとしては、実際にホテルに宿泊して感動したサービスや、アルバイトでの経験などが挙げられます。経験を通じて、あなたがどう感じたか、そしてどのような変化があったのかも合わせて書くことで、ホテル側に接客の仕事に対する熱意を伝えることができます。
2.なぜホテル業界なのか? (自己分析)
次に就職活動をする中で数ある業界からなぜホテル業界を選んだのかについて説明する必要があります。まず、ホテル業界を志したきっかけやホテル業界就職のために頑張ったこと(資格など)を書きます。
次にホテル業界就職を目指していることを実際の経験を根拠に書くと、ホテル側にもその熱意を感じてもらえます。
この時、注意すべきことは、ホテル自体やそのサービスが好きなことだけを熱心に伝えることです。そのホテルが好きというだけでなく、支えていきたい、貢献していきたい、といったホテルを運営する側に立った視点が盛り込まれていないと熱意が伝わることはありません。
3.なぜそのホテルを志望したのか? (企業分析)
志望するホテルに勤めてどうホテルに貢献したいかを書けると、より熱意が伝わり、一緒に働きたい!と思ってもらえる可能性が高まります。ホテルの仕事はチームでの協力が不可欠です。個々の役割が異なるスタッフが、ゲストに最高のサービスを提供するために連携し、情報を共有します。周りに配慮し、チームプレイができたり、ゲストを満足させるために挑戦ができる人は非常に好まれます。ホテルの評判を高め、ゲストに信頼されるために貢献できる存在であることをアピールしましょう。
志望動機の書き方
さて、志望動機に書くべきポイントを理解したところで、実際に志望動機を書いてみましょう!志望動機のゴールは「なぜ数ある企業の中でホテル業界のこのホテルを志望したのか?」を理解してもらうことです。自己分析や、そのホテルの強み、提供するサービス、そこで成長できる専門性をしっかりと把握し、他のホテルとの違いも踏まえたうえで、なぜそのホテルを志望するのかを明確に説明できるよう準備しましょう。4つのステップに分けて説明します。
1.自己分析をする
志望動機を書くにあたって、まずは自己分析を行います。ホテル業界を志すきっかけや、自分がどのような強みを持ち、どう活躍したいかを深く考えることが必要です。具体的な経験が伴わない志望理由では、説得力が弱くなり、面接官から「本当か?」と疑われてしまうこともあります。
例えば宿泊部門を志望していると仮定しましょう。
宿泊部門の仕事内容(必要なスキルや特徴)
宿泊部門の仕事内容は、主にフロント業務やゲスト対応、予約管理などが含まれます。これらの業務では、コミュニケーション能力、迅速な対応力、問題解決能力が特に求められます。ゲストに最高のサービスを提供するためには、細かなニーズに気づき、柔軟に対応する力が必要です。また、多言語対応能力やストレス耐性も、宿泊部門で成功するために重要なスキルです。
評価されやすい強み
自己分析の際には、自分の経験から宿泊部門で評価されやすい強みを見つけ出しましょう。例えば、接客業のアルバイト経験がある場合は、ゲストに対する細やかな心遣いが強みとなるかもしれません。あるいは、学生時代にチームをまとめた経験があるならば、リーダーシップや協調性がアピールポイントになるでしょう。
これらの強みをどのように宿泊部門で活かせるかを具体的に伝えることが重要です。「私はゲストの要望に細かく対応することを常に心がけてきました」など、過去の経験に基づく実例を含めると、より説得力が増します。
2.企業分析をする
次に、志望するホテルの企業分析を行います。ここでのポイントは、ホテルがどのような人材を求めているのかを正確に把握することです。ホテルの公式ウェブサイトや採用ページ、ニュース記事などを確認し、そのホテルが特に大切にしている価値観や提供しているサービスの特徴を調べましょう。
「どんな人物像が求められているか」を知り、自分の強みと結びつけて考えることで、より効果的な志望動機を作成することができます。例えば、地域密着型のサービスを提供しているホテルであれば、その地域に対する理解や愛着を強調することが効果的です。
3.集めた情報をもとに文章に作る
自己分析と企業分析をもとに、志望動機を組み立てます。文章の組み立て方は以下の流れに沿って進めましょう。
- なぜそのホテルを志望するのか、一言で表す
- 具体的な志望動機を述べる
- その動機を支えるエピソードや経験を具体的に説明する
- 採用後、どのように貢献できるかを述べる
4.チェックする
最後に、志望動機が完成したら、必ず内容を確認しましょう。誤字脱字がないか、志望動機の内容が明確か、採用担当者にとって魅力的なものになっているかを再チェックします。また、志望動機が自分の強みと企業の求める人物像を的確に結びつけているかを確認し、納得できる文章に仕上げましょう。
採用される志望動機の例文5選
ホテル業界を目指す学生にとって、説得力のある志望動機を作成するためには、自己の強みや経験を具体的に挙げ、それが応募するホテルのニーズにどう合致するかを説明することが大切です。以下に、志望理由ごとの例文を3つ紹介し、それぞれの良い点を解説します。
例文①: 「ゲストを喜ばせたい」という志望理由の場合
私は、ゲストが求めている以上のサービスを提供し、笑顔を引き出すことにやりがいを感じます。カフェでのアルバイトでは、日々のゲストとの対話を大切にし、常連のゲストの好みを覚えて、毎回快適に過ごしていただけるよう心がけてきました。この経験を通じて、接客において「一人ひとりに合った対応」をすることで信頼を得る大切さを学びました。
貴社の「おもてなしの心」に深く共感し、その理念のもとで私の接客スキルをさらに磨き、宿泊部門でゲストにとって特別な体験を提供したいと考えています。特に、貴社の都市型ビジネスホテルという環境では、短い滞在時間の中でもゲストに満足感を与えるために、スムーズかつ心温まる対応が求められると理解しています。私の細やかな気配りを活かし、ゲストがまた貴社を訪れたくなるようなサービスを提供していきたいと思います。
良い点:
- 具体的なエピソード: カフェでの接客経験を具体的に挙げ、説得力を高めています。応募者が実際にどのようにゲストと接していたかを伝えることで、実践的なスキルをアピールできています。
- ホテルの特徴に合致: 「おもてなしの心」を強調し、志望するホテルのサービス精神と自分の経験を結びつけている点が非常に良いです。企業が求める人物像にぴったり合致しています。
- お客様目線の具体性: 都市型ビジネスホテルの特性を理解し、短い滞在時間でどのようなサービスが重要かを具体的に言及している点が、業界理解の深さを示しています。
例文②: 「成長しやすい環境で学びたい」という志望理由の場合
私が貴社を志望する理由は、フロント業務を通じて成長できる環境が整っている点に強く惹かれたからです。観光学部での学びやアルバイトでの接客経験を活かしつつ、さらに高度な接客スキルを身につけたいと考えています。特に、貴社が提供するトレーニングプログラムや、従業員の成長を積極的に支援する風土に魅力を感じました。
宿泊部門のフロント業務では、ゲストの要望に迅速かつ正確に対応することが求められることを理解しています。私自身、ゲストのニーズに即座に対応する柔軟性と、常に改善を図る姿勢を持ち続けることで、貴社のゲストに質の高いサービスを提供できると確信しています。貴社で成長し続け、次世代のホスピタリティを担う存在となり、貴社の発展にも貢献していきたいと考えています。
良い点:
- 成長意欲の強調: 自己成長の意欲を前面に押し出しており、学ぶ姿勢を評価されやすい形でアピールできています。特に「トレーニングプログラム」や「成長を支援する風土」に言及している点が良いです。
- 柔軟性と改善意識の強調: 応募者がフロント業務で柔軟に対応するスキルを持っていること、また常に改善を図る姿勢があることを具体的に述べており、ホテルの即応性を重視する業務にぴったりです。
- 長期的な貢献の意識: 自身が成長し、ホテル業界全体に貢献したいという視点があるため、短期的な雇用だけでなく、将来的な貢献を見据えた応募姿勢が好印象を与えます。
例文③: 「企業の理念に共感した」という志望理由の場合
私が貴社を志望した理由は、「お客様の心に残るサービスを提供する」という貴社の理念に強く共感したからです。以前、貴社のホテルに宿泊した際、フロントスタッフの方々の温かい対応に感動し、私自身もこのようにゲストに寄り添うサービスを提供したいと感じました。この体験を通じて、単なる宿泊を超える心に残る価値ある体験を提供することの重要性を実感しました。
貴社の理念を実現するためには、ゲスト一人ひとりと深く関わり、信頼を築くことが重要であると考えています。私はカフェでの接客経験を通じて培った「ゲストのニーズを先取りする姿勢」を、フロント業務に活かし、ゲストがまた貴社を訪れたくなるような温かいおもてなしを提供したいです。貴社の一員として、この理念をさらに多くのゲストに伝え、貴社のブランド価値を向上させる役割を担いたいと考えています。
良い点:
- 実体験に基づく共感: 自分自身がホテルのサービスを体験し、共感を抱いたという個人的なエピソードを含めることで、応募動機に説得力を持たせています。この経験は、企業の理念に対する深い理解を示しており、企業側に良い印象を与えます。
- 理念との一致: 「ゲストの心に残るサービス」という理念と、自分が提供してきた接客スタイルが一致している点が効果的です。応募者が企業文化に合致する人材であることを強調できています。
- 貢献の具体化: 最後に、応募者が貢献できる具体的な方法を示し、応募する企業の発展に自分がどのように寄与できるかを述べている点が良いです。これにより、採用後のビジョンが明確に伝わります。
例文④: 「語学力を磨きたい」という志望理由の場合
私は、語学力を活かしながら接客スキルを高めたいという思いから、貴社を志望しました。学生時代に英語を学び、外国人観光客向けのガイドボランティアとして活動してきました。その経験を通じて、異なる文化背景を持つゲストに対して、丁寧かつ柔軟に対応するスキルを身につけました。これをさらに発展させ、ホテル業界でも多様なニーズに対応できる接客力を磨いていきたいと考えています。
貴社は、国内外から多くのゲストを迎える都市型ホテルとして、語学力を活かす場面が多いと感じています。私は、フロント業務を通じてゲストのニーズに迅速に対応し、語学力とホスピタリティを発揮することで、貴社の国際的な評価を高めることに貢献したいと考えています。
良い点:
- 具体的な語学経験のアピール: 語学力を志望理由にする場合、その能力が実際に発揮された経験を述べることが重要です。ボランティア活動を通じた実例があることで、信頼性が高まっています。
- 多様なニーズへの対応: 語学力だけでなく、文化的背景を理解した柔軟な対応力も示しているため、フロント業務に適したスキルセットを持っていることが伝わります。
- 企業の特性との一致: 都市型ホテルとして、多くの外国人顧客を迎える企業に対して、自分のスキルが役立つと明確に述べている点が好印象を与えます。
例文⑤: 「接客が好き」という志望理由の場合
私は、人と接することが好きで、接客業務を通じてゲストの満足度を高めることにやりがいを感じています。アルバイトでレストランの接客をしていた際、ゲストの細かな要望に応えるために常にアンテナを張り、ゲストが求める前に必要なものを提供することを心がけていました。この経験を通じて、ゲストとの信頼関係を築くことの重要性を学びました。
貴社の宿泊部門では、長期滞在のゲストも多く、継続的にゲストと接する機会が多いと伺っています。私は、このような環境でゲストの要望に先んじて対応し、貴社の信頼をさらに高める接客を提供したいと考えています。ゲストに寄り添い、笑顔を引き出す接客を通じて、貴社の発展に貢献していきたいです。
良い点:
- 具体的な接客経験のアピール: 「接客が好き」という抽象的な理由だけでなく、実際にどのような形で接客を行っていたかを具体的に述べているため、説得力があります。
- 顧客志向の対応力の強調: ゲストの要望を先取りする姿勢を持っていることが伝わり、ホテル業界での即戦力として評価されやすいです。
- ホテルの特性を考慮: 長期滞在のゲストを意識した対応を示し、ホテルの特徴に合わせた志望動機が述べられています。企業のニーズに応えられる応募者としての印象が強まります。
これらの例文に共通する良い点は、具体的なエピソードや経験を元にしており、志望動機に一貫性と説得力があることです。また、志望するホテルの理念や特徴と自分の強みや経験を関連付けることで、企業側に「この人が私たちのホテルでどう貢献できるか」を具体的に伝えることができています。
志望動機を書く際には、自己の強みを明確にし、具体的なエピソードと企業分析をしっかり行うことが成功のカギとなります。
これはウケが悪い!NG例文3選
志望動機を書く際には、ホテル側の期待に沿う形で、自分の強みや経験をアピールすることが大切です。しかし、無意識にホテルの理念や求める人物像とズレてしまうことがあります。ここでは、NG例文とその問題点を紹介しながら、どのように修正すべきかを解説します。
NG例文①: 企業の理念と異なる
貴社を志望した理由は、業界での規模と認知度の高さにあります。大規模な企業で働くことで安定した環境でキャリアを積み、将来的には自分のスキルを活かしてマネジメントにも挑戦したいと考えています。貴社のような大手であれば、業界のトップレベルのトレーニングを受け、ステップアップできると考えています。
NGな点:
- 企業の理念とズレている: 企業が「おもてなし」や「顧客満足度」を重要視しているのに対して、応募者が強調しているのは「安定した環境」と「自己の成長」であり、顧客への貢献が感じられません。
- 志望動機が表面的: 規模や認知度という外的要因に依存しており、応募者がその企業の文化や価値観を理解しているとは言えない。
改善点:
ホテルの理念や顧客サービスにフォーカスし、「自分の成長」と「顧客への貢献」を両立させることが必要です。例えば、「貴社が提供するきめ細やかなサービスを実現するために、自分がどのように貢献できるか」を述べると良いです。
NG例文②: 宿泊部門で役立ちにくい強みをアピールしている
私は、貴社を志望するにあたり、これまでのマーケティング経験を活かしたいと考えています。前職では、ウェブサイトのアクセス数を飛躍的に増やすプロジェクトに参加し、成功に貢献しました。私はホテル業界でも、この経験を活かしてオンライン予約の促進や新規顧客の獲得に貢献できると信じています。
NGな点:
- 宿泊部門に関連しない強みのアピール: 宿泊部門のフロント業務に直接関わるスキルがアピールされておらず、企業が求める接客力やおもてなしの精神と関連がないため、評価されにくいです。
- 顧客対応に関する経験がない: マーケティングやオンラインのスキルがメインで、直接的な接客経験や顧客対応の強みが欠けています。
改善点:
宿泊部門で重要視される「接客力」や「ゲストへの対応力」を強調することが必要です。例えば、マーケティングの経験を活かして「ゲストのニーズを先読みし、サービスに反映する能力が宿泊部門でどう役立つか」を説明すると良いです。
NG例文③: 他のホテルでもよさそうな志望理由
私が貴社を志望した理由は、ホテル業界において成長できる環境が整っているからです。私自身、接客が好きでこれまで飲食業界でアルバイトをしてきました。将来的には、ホテリエとして国内外で働きたいと考えており、貴社でその夢を実現したいです。
NGな点:
- 志望理由が一般的すぎる: 「成長できる環境」や「接客が好き」といった表現は他のホテルでも通用する内容であり、なぜ「そのホテル」なのかが伝わっていません。
- ホテル固有の魅力が記載されていない: 貴社特有の特徴や強みに言及しておらず、ホテルが求める具体的な人材像に合致していない。
改善点:
そのホテル固有の魅力や、他社と比較してどこに魅力を感じたのかを具体的に述べることが重要です。例えば、「貴社が提供する地域密着型のサービスに共感し、自分の接客経験がどのように役立っているか」を具体的に述べると、志望理由が一貫し、説得力が増します。
志望動機を書く際には、企業の理念や求める人物像と一致させることが何より重要です。単に自分の経験や強みをアピールするのではなく、それがどのように応募するホテルに貢献するのかを具体的に説明することが、説得力のある志望動機を作成するためのカギとなります。
履歴書・面接の準備をしよう
志望動機が完成したら、次は履歴書の作成と面接の準備に取り掛かりましょう。履歴書では、志望動機を簡潔にまとめ、職務経験やスキルを企業にアピールするための重要な書類です。一方、面接では、書面では伝えきれない自分の人柄や熱意を直接伝える場です。これらの準備がしっかりできているかどうかが、選考結果を左右します。
履歴書の書き方や面接での受け答えのポイントについては、別の記事で詳しく解説しています。こちらで、効果的な履歴書作成法や面接対策を確認してください!
- 履歴書の書き方
- 面接対策のコツ
ぜひ参考にして、万全の準備を整えましょう!
まとめ
この記事では、ホテル業界を志望する学生に向けて、効果的な志望動機の書き方を詳しく解説しました。この記事を通じて、自信を持って志望動機を書き、次の選考に進めるようになることを願っています。
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