ホテルの顔ドアマンの仕事とは?知られざる魅力や年収も紹介!

1.ドアマンとは

ドアマンはホテルの顔とも呼ばれ、どの職種よりも先にゲスト(宿泊客)と対面し、ホテルの第一印象を決めるといっても過言ではありません。文字通りのドアを開けるだけの単純な仕事だけではなく、ホテルの印象や評価を左右する重要な仕事です。この記事ではそんなドアマンの仕事内容や年収などを紹介します。

2.ドアマンの仕事内容

先ほどドアマンは単なるドアの開け閉めだけではないと説明しましたが、具田的にはどのような仕事があるのでしょうか?今回は主な仕事内容を6つ紹介します。

玄関ドアの開閉

 ホテルにゲストが到着した際やホテルからゲストが外出する際にホテル玄関のドアを開けます。

ゲストのお出迎え、お見送り

 ゲストが到着した際に笑顔で迎え、外出帰宅の際には丁寧にお見送りをする仕事です。到着の際には荷物を預かりロビーやフロントまで案内し、ベルスタッフやフロントスタッフ の元へ案内します。

タクシーなどの手配

 ゲストがタクシーやハイヤーを利用し外出、帰宅をする際にタクシーやハイヤーをゲスト の外出、帰宅の時間に合わせて配車します。

施設の案内、周辺の観光案内

 施設の案内はもちろん、周辺の観光地やレストラン、カフェなどの案内、付近の公共交通 機関の路線などの案内もドアマンの仕事です。そのためドアマンはホテルだけではなく周 辺の地理も理解する必要があります。

周辺の警備

 ホテル周辺の見回りを任される場合もあります。また、玄関を通るゲストの顔や服装を記 憶し不審な人物はいないかなどのチェックをすることも大切な仕事です。

車の誘導

 ゲストが自分の車で到着した際にキーを預かり駐車場に止めに行きます。帰宅や外出の際は駐 車場から玄関前まで車を回します。

これがドアマンの主な仕事内容です。やはり第一印象が大事なので常連のゲストはしっかりと頭に入れておくことが多いです。例えば一流ホテルで有名な帝国ホテルでは、何度も利用していただいてるお客さまの顔やお名前、会社、役職、車種、ナンバーを記憶し対応しているそうです。

3.ベルマンとの違い

ホテル業界にはドアマンとよく間違えられるベルマンという職種が存在します。混同されがちなドアマンとベルマンですが、仕事内容には大きな違いがあります。

ベルマンはホテル内でお客様の荷物を客室やロビーに運んだり、客室までの案内が主な仕事内容です。もちろん、ドアマンがお客様の荷物をロビーまで運ぶこともありますが、基本はベルマンの仕事です。簡単に言えばホテルの外でお客様の荷物のお運びや案内をするのがドアマンで、ホテル内でお客様の荷物のお運びや案内をするのがベルマンといった違いです。

しかし、ドアマンとベルマンの仕事を合わせて任せるホテルも多く、明確に二つの職種として分けているホテルは少ないです。

4.ドアマンに求められるスキル

前述したように、ドアマンはホテルの第一印象を決める大切な役割を担っています。ドアマンはホテルの利用者にとって最初に関わるホテル従業員です。そのため丁寧な言葉遣い、接客態度などに必要なコミュニケーション能力や語学力が必要になります。

人によって態度を変えないことも大切な仕事の一つです。有名人、お偉いさん、一般市民によって態度を変えていけないのはもちろん、見た目が怖い人など相手の印象によって態度を変えないようにできるスキルも必要になります。

お客様の表情の変化や行動を見て求めていることを察知する能力や、記憶力、真夏や真冬でも外に立ち続けられる忍耐力も必要になります。

5.ドアマンになるために必要なこと

ドアマンになるために特別必要になる資格はありません。しかし、ドアマンという職種は基本高級ホテルにある職種なので、高級ホテルに見合ったホスピタリティが必要になります。そのため、他ホテルでフロントマンなどで一定のホスピタリティを身につけてからドアマンの仕事につく場合が多いです。

マナープロトコル検定、ホテル実務技能認定試験、ホテルビジネス実務検定試験などの資格を持っていると就職の際に一定の知識を有している証明ができるので、その点が評価され有利になる場合があります。

6.ドアマンの魅力、大変な事

ここまでドアマンの仕事内容について一通りお話しました。そんなドアマンの魅力と大変な事を紹介します。あまり聞かないドアマンですが、実は他のホテル業界の職種とは異なる魅力がある事を知ると面白いと思います!

魅力

個人の力量が評価に直結する

ホテルを訪れるお客様を一番におもてなしすることができます。特に常連のゲストの場合はいつも一番最初に最高の対応をしてくれる人として名前を覚えていただける事が多いです。ホテル業界はチームで動くことが多いですが、ドアマンは個人の力量で名を上げることができる珍しい職種と言えます。

ホテルの充実した福利厚生

ホテルで働くということはホテル業界に従事する立派なホテリエということでもあります。ホテルの正社員(一部契約社員)には系列ホテルの宿泊割引制度がある場合がほとんどです。また、ホテル特有の施設(温泉、サウナ)などを無料で利用できるといった社割制度を設けているホテルもあり、疲れを癒す環境は整っていると言えます。

大変なこと

長時間の立ち仕事

ドアマンは営業時間中にホテルのエントランスでゲストを迎える仕事です。そのため、天候、季節関係なく外に立ち続けなければなりません。休憩時間はありますが、朝や夕方などのゲストが多く出入りする時間帯は長時間連続で動き続ける必要があり、体力を伴います。その点は覚悟しておかなければなりません。

異文化への対応

皆さんがホテルに泊まった時を思い出して頂くと分かりやすいのですが、日本人あまりホテルのサービスを使わない傾向にあります。積極的にホテリエ(スタッフ)に声をかけているのは常連のゲストか外国のゲストである場合が多いです。そのため、ドアマンとして対応する時間の多くは外国のゲストへの対応であることが多いです。日本人ではないので宗教や、文化に応じて臨機応変な対応が必要になります。

7.ドアマンの年収

ドアマンの平均年収は300〜700万円と言われています。ホテルのグレードや、地域などによって差が出ます。
月収にすると20~30万円が相場となり、勤続年数やスキル、保有する資格が年収を左右します。また、高級ホテルでは、30〜50万円になることもあり、ドアマンは宿泊者からチップをもらう場合もあります。

ドアマンの年収を上げる方法で代表的なものは高級ホテルや外資系ホテルに転職する方法です。しかし、高級ホテルや外資系ホテルで働くためにはそれなりのスキルと経験が必要になるため、年収アップに重要なのは経験を積むことだと言えそうです。

8.キャリアアップを目指すために

ドアマンの中に管理職などは特にないため、多くの場合は年功序列で給料が上がっていくのみとなってしまいます。
しかし、スキルや経験を持った状態で他ホテルに転職することで年収アップすることは可能です。ドアマンの場合は高い接客力や観察力、記憶力などが評価されます。そのため、同じホテル業界のコンシェルジュや現場管理の職種に就くなどしてキャリアアップできる道があります。

9.まとめ

ドアマンは名前でドアを開け閉めするだけの仕事だと思われがちですが、実はそれ以外にも多くの大切な仕事があり、ホテルに来たお客様に全員に関われるのは豊富にあるホテルの職種のなかでドアマンだけなのではないでしょうか。人をもてなすことや、人を助けることが得意であったり、好きな方にとってはぴったりな仕事なのではないでしょうか。