ホテル・旅館の清掃スタッフは大変なの?仕事内容と魅力を解説!

ホテルや旅館の清掃業務は、快適な宿泊体験を提供するために、欠かせない重要な役割を果たしています。この記事では、ホテルや旅館の清掃を担当する客室清掃員の具体的な仕事内容や給料、魅力などについて詳しく解説しています。これからホテルや旅館の清掃の仕事を考えている方や興味を持っている方に向けて、魅力や大変なこと、求められるスキルなどについても紹介しています。客室清掃員がそのような職種なのか、ぜひご一読ください。

客室清掃員の基本的な役割と、その業務の魅力を一緒に探っていきましょう。

1.客室清掃員の仕事内容は?

ホテルの客室清掃員が担う主な仕事は以下の通りです。

ベッドメイキング

客室清掃員の最も基本的な仕事は、ベッドメイキングです。シーツやカバーを交換するだけでなく、しわを伸ばし、ベッドを綺麗に整えます。客室の印象を決定づける重要な要素であり、細部に気を遣いながら行います。

バスルームの清掃

衛生面で特に重要な業務です。浴槽やトイレ、シャワー、洗面台、などの汚れを確認し、徹底的に洗浄し、清潔な状態に保ちます。洗浄後は、水滴を残さないように乾いたタオルで丁寧に拭き取ります。

客室全体の清掃

客室全体での清掃は、テーブル、テレビ、冷蔵庫などの備品を綺麗にし、所定の位置に配置します。掃除機をかけ、ゴミの回収も行います。さらに、客室の窓や鏡を拭き、明るく清潔な雰囲気を作り出します。

アメニティの補充

シャンプーや石鹸、ティッシュペーパーなどのアメニティを補充します。また、ティーバックやコーヒー、砂糖なども補充し、滞在するゲストが必要とするすべてが揃っていることを確認します。

最終確認

全ての清掃作業が終わった後に、最終確認を行います。客室がホテルの衛生基準を満たしているのかを部屋の隅々まで確認し、必要に応じて微調整します。この最終確認を行うことによって、ゲストが部屋に入った瞬間に感じる快適さと清潔感を最大限に高めることができます。

2.客室清掃員の1日のスケジュール

代表的な客室清掃員の1日を紹介します。※勤務場所によって多少異なります。

8:00~9:00 出勤と清掃準備
9:00~12:00 客室清掃
12:00~13:00 お昼休憩
13:00~15:00 客室清掃
15:00~16:00 片付けと事務作業

8:00~9:00 出勤と準備

出勤後、その日のスケジュールと割り当てられた部屋のリストを確認します。清掃用具、消耗品、リネン類など必要なものを準備し、効率的に作業を進めるための計画を立てます。

9:00~12:00 客室清掃

午前中はチェックアウトした客室の清掃から始めます。ベッドメイキング、バスルームの洗浄、部屋全体の清掃、アメニティの整理や補充、一連の作業を迅速かつ丁寧に行います。客室ごとに清掃の優先順位を付け、次のゲストのチェックインに間に合うように作業を進めます。

13:00~15:00 客室清掃

滞在中の客室の清掃や、特別な要望の対応に応じたり、残った部屋の清掃を行います。最終確認を行い、部屋が施設の衛生基準を満たしているかを確認し、必要に応じて補充や調整を行います。また、翌日の準備として、消耗品の補充や清掃用具のメンテナンスも行います。

15:00~16:00 片づけと事務作業

清掃用具や機材を片付け、業務報告を行います。その後、翌日の最終確認をして、帰宅の準備をします。

3.客室清掃員の給料や勤務体制

客室清掃員の給料や労働条件は、地域や雇用形態、経験などによって大きく異なります。一般的な情報を以下にまとめます。

客室清掃員の給料

多くの客室清掃員は時給制で雇用されており、時給は地域によって異なりますが、1,000円〜1,500円程度が一般的です。東京都内では平均時給が1,200円〜1,500円の範囲です。(注1)

また、フルタイムで働く場合、月給は18万円〜25万円程度が相場です​。さらに、正社員の場合はホテルや旅館によって年2回のボーナスが支給されることもあります​。(注2)


客室清掃員の給与は、勤務する地域やそこの宿泊施設によって大きく異なります。例えば、東京や大阪のような都市部では、フルタイムの客室清掃員は年収が約300万円から400万円にまで上がることがあります。一方、地方の小規模なホテルでは、年収が約250万円から350万円に留まることが多いです。(注3)

注1)年収チェッカー | 企業の平均年収を、年代・役職別で徹底調査
注2)Arbeit Project
注3)indeedホームページ「客室清掃スタッフ年収」2024年6月27日

客室清掃員の勤務体制

客室清掃の勤務時間や休日体制は、宿泊施設やその運営方針によって異なります。一般的な労働環境について説明します。

勤務時間

多くの場合、客室清掃員の勤務時間は午前中から始まり、昼過ぎまで続きます。これはチェックアウト後の清掃が主な業務となるためです。通常は1日5〜6時間程度の勤務が多いですが、繁忙期や大型連休時には勤務時間が延長されることもあります​。

シフト制

週休二日制が一般的ですが、繁忙期には連続して働くことが求められる場合があります。そのため、シフト管理が重要で、適切に休日を取ることが奨励されます。シフトは柔軟に動かせることが多く、朝早くからの勤務や、場合によっては夜間の勤務も発生することがあります​ 。

休憩時間

労働基準法に基づき、適切な休憩時間が設けられています。通常、4時間以上の勤務で30分以上、6時間以上の勤務で1時間以上の休憩が与えられます。

客室清掃員の福利厚生

多くのホテルや旅館では、客室清掃員に対して以下のような福利厚生が提供されています。

社会保険

健康保険や厚生年金、雇用保険などの社会保険に加入することが一般的です。

有給休暇

労働基準法に基づき、有給休暇が付与されます。入社から半年後に10日間の有給休暇が与えられ、その後勤務年数に応じて日数が増えます。

宿泊施設の割引

従業員割引として、宿泊施設を割引価格で利用できる特典がある場合があります。

研修とスキルアップ

清掃技術や接客マナーに関する研修が定期的に行われ、スキルアップの機会が提供されます。特に高級ホテル、高級旅館では、より高いレベルのサービスが求められるため、専門的なトレーニングが実施されることが多いです。

清掃の仕事は体力的な負担が大きい一方で、適切な労働環境が整備されている場合には、働きやすい環境が提供されます。スタッフ同士の協力やサポート体制も重要であり、快適な職場環境を維持するための取り組みが行われています。

4.客室清掃員が大変といわれる理由

客室清掃員が大変といわれる理由を2つ紹介します。

長時間の立ち作業

客室のベッドメイキングやバスルームの清掃など、立ったままする作業が多いため、腰痛や筋肉痛などの身体的な問題が発生しやすいことから大変といわれることが多くあります。適切なストレッチや運動を取り入れ、体力を維持することが推奨されます。

体力が必要

特に客室数が多いホテルなどでは短時間で大量の客室の清掃を行わなければなりません。また、部屋の細部まで汚れがないか気を配る必要があるため、作業時は常に集中しなければなりません。そのため、客室清掃員は体力が求められ、大変と言われる原因となっています。

5.客室清掃の魅力、メリット

大変な事が多い客室清掃員ですが、一方で多くの魅力があることも事実です。ここでは、客室清掃員の魅力を紹介します。

柔軟な勤務形態

ホテル業界では、客室清掃員に対して多様な勤務形態を提供しています。これにはフルタイム、パートタイム、アルバイトといった選択肢があり、自分の生活スタイルや他の仕事に合わせて勤務スケジュールを調整できます。

接客機会が少ない

客室清掃員の仕事は、他のホテル職種と比べ直接的なゲストとの接触が少ないため、静かで集中できる環境で働けます。接客が苦手な人や、落ち着いて作業を進めたい人にとって魅力的です。

健康的な職務環境

体を動かす仕事であるため、健康的なライフスタイルを維持しやすいです。定期的な身体活動は、体力と健康の維持に役立ちます。

目に見える成果の達成感

客室清掃員の仕事は、即時に成果が目に見える形で現れるため、大きな満足感と達成感を得ることができます。自分の努力が具体的な形で身を結んでいることを実感し、日々の業務のモチベーションを高めることができます。

キャリアアップのチャンス

客室清掃員の仕事はキャリアアップのチャンスも秘めています。経験を積み、スキルを磨けば、フロアマネージャーや清掃管理マネージャーといった上位職への昇進が可能になり、これがさらなる給与アップにつながります。また、この経験はホテル業界での他職種への転職や昇進にも役立ち、長期的なキャリア形成に寄与する可能性があります。

6.ホテル客室清掃員に求められるスキル【4選】

客室清掃員として働くためには、いくつかのスキルが必要とされます。これらのスキルは、ゲストに快適な滞在を提供し、ホテルや旅館の評判を高める上で重要な役割を果たします。ここでは、特に重要な4つのスキルを紹介します。

1.細部への注意力

清掃作業において最も重要なのは、細部への注意力です。ホコリ一つ、シミひとつを見逃さず、完璧な清潔さを提供することが求められます。細部への注意はゲストへの満足度を大きく左右します。

2.効率的な時間管理

多くの部屋を限られた時間内に清掃するためには、効率的な時間管理が欠かせません。作業計画を立て、各部屋の清掃にかかる時間を見積もり、効率よくタスクを遂行する能力が必要です。

3.体力と持久力

客室清掃は肉体労働の側面があり、長時間にわたる作業や重い物を運ぶことがあります。持続的な体力と健康を維持することが、日々の作業を効率的にこなすために不可欠です。

4.コミュニケーションスキル

清掃員は施設の他のスタッフやゲストと頻繁に交流します。効果的なコミュニケーション能力は、チームワークを促進し、必要に応じてゲストの要望に対応する能力を高めます。

7.客室清掃業界の今後の展望

綺麗なホテル、旅館づくりは評価を大きく上げる

ホテルや旅館の清潔さは、ゲストの満足度に大きく影響します。清掃が行き届いたホテルや旅館はリピーターが増え、口コミや評価も向上します。したがって、清掃業務は旅館のブランドイメージを支える重要な役割を果たします。

清掃業務の効率化に向けた取り組み

現在、多くの旅館では清掃業務の効率化を図るため、最新の清掃機器やツールを導入しています。また、清掃スタッフの負担軽減のため、シフト管理や業務の分担を見直す取り組みも進められています。

旅館清掃の技術や設備の進化

近年、清掃技術や設備も進化しています。自動掃除機や高圧洗浄機の導入、環境に優しい洗剤の使用などが普及し、清掃業務の効率化と環境保護の両立が図られています。

8.まとめ

今回はホテルや旅館の客室清掃員について紹介しました。この仕事は施設運営において重要な役割を果たし、ゲストの快適な滞在を支えます。身体的な負担や仕事量の変動もありますが、やりがいと達成感も大きいです。宿泊業界でキャリアを探している方、客室清掃員を目指してみませんか?in the HOTELで求人票を確認してみましょう!