【ホテル志望動機】分析しながら4ステップで志望動機を作ろう! 作成方法と例文を紹介

ホテル業界は、多くの人を惹きつける魅力的な業界ですが、その一方で高い競争率も特徴です。 ただ単にホテルで働きたいという気持ちだけでは、多くの応募者の中から選ばれるのは困難です。そこで重要となるのが、志望するホテルへの深い理解と、そのホテルだからこそ実現できるキャリアへの熱意を伝えることです。

ホテル業界は、同じような業務に見えても、企業によってサービスの内容や企業文化が大きく異なるため、特定のホテルを志望する場合は、そのホテルならではの強みや魅力を捉え、自分のキャリアプランと結びつけることが大切です。 企業理念や組織風土を深く理解し、そのホテルでしか得られない経験を通して、どのように成長したいのかを具体的に伝えることで、あなたの志望の誠意をアピールすることができます。

そこで、ホテル業界への第一歩を踏み出すために、自分の想いを言葉にする「志望動機」。この記事では、例文を交えながら、あなただけの魅力的な志望動機を作成する方法を徹底解説します!

この記事の目的 
ホテル業界の志望動機の書き方や盛り込む内容を理解し、ホテルに受かる志望動機を作成できるようになる。

1.ホテル業界とは?

ホテル業界が気になるけど、きちんとした環境で働けるの?と不安に思う方のために、ホテル業界がどんな業界かまとめてみました。ホテル業界の魅力や労働環境、ホテルマンに求められている事などについて解説します。

ホテル業界で働く魅力ってなに?

ホテルはお客様に対して宿泊サービスを提供します。あなたの接客でホテルを訪れるゲストを笑顔にさせることができる。そんな魅力あふれる仕事です。またホテル業界で働く「ホテリエ」は仕事を通して、語学力やチームワーク、観察力などを磨き、待遇を上げることもでき、ただホテリエとして働くだけでなく、自らの成長もできる職業となっています。

よくホテリエの仕事はきついと言われます。事実、コロナ禍が明け、ホテル業界の人手不足が深刻化しています。しかし、最近ホテル業界全体で少しでもホテリエを増やそうと、労働環境の改善が積極的に行われており、以前と比べて格段に働きやすい環境となっています。他にも福利厚生やグループ内のホテルに社員価格で宿泊できる社割制度なども充実しており、中には寮やご飯の提供があるホテルもあります。ホテル業界では人手不足を解消するため、ホテリエが安心して働けるような環境作りを行っています。

ホテル業界の市場規模はどうなってる?

コロナ前の2019年は、日本全国で5億9592万人が宿泊していましたが、コロナ禍で2020,2021年度は3億人程度に落ち込みました。その後はインバウンド需要も高まり、4億5000万人(2022年度)と回復しています。日本の人口が1億2000万人ですから、非常に大きい市場であることが分かります。

その分、これらの観光客を受け入れるためのホテリエの数も多く必要で、この記事を見ていただいたあなたがホテリエとして活躍できる舞台は多くあります。

ホテル業界に求められるニーズの変化

ホテル業界は社会や市況の変化に大きく影響を受ける業界です。ホテルに求められるニーズはコロナ前、コロナ禍、コロナ後で大きく変化しました。

コロナ以前はとにかくたくさんの方に宿泊いただくといったように、高い回転率を求められていたのが、コロナ禍で人同士の接触の少ないプライベートな空間、コロナ禍が明けた最近では空間や体験などの独自の付加価値が求められ、ホテル業界のトレンドも変化してきました。

経営面では、コロナ後に堅調な回復を見せているホテルが多いことや、宿泊以外のサービスで業績を伸ばすことで経営の安定化を図ってきたホテルも多くあり、ホテル業界で働く人「ホテリエ」が安心して活躍しやすい環境が整いつつあります。目まぐるしく変わる社会に合わせて、柔軟に対応を変えなければいけないのはどの業界でも同じです。

特にホテル業界では、上手く社会の変化に対応できるホテリエはその観察力が評価されて、非常に重宝されます。

2.評価される志望動機で盛り込むべき3つのポイント

就職活動をする人にとって、志望動機は就職を希望するホテルへ自分をアピールする場です。
そこで説得力のある志望動機を考える上で大事なポイントを3つ紹介します。 

1.なぜ接客の仕事がしたいと思ったのか? (自己分析)

ホテル業界は一部を除いてそのほとんどが接客を伴う仕事です。そのため、接客業への興味を示すことができないと、宿泊業界に向いてないと判断され、不採用になってしまう可能性があります。接客を通してお客様を楽しませたいという思いがホテル側に伝わるような志望動機が書ければ、採用の確率がぐっと上がります!

接客の仕事に憧れがあることを伝えるエピソードとしては、実際にホテルに宿泊して感動したサービスや、アルバイトでの経験などが挙げられます。経験を通じて、あなたがどう感じたか、そしてどのような変化があったのかも合わせて書くことで、ホテル側に接客の仕事に対する熱意を伝えることができます。

2.なぜホテル業界なのか? (自己分析)

次に就職活動をする中で数ある業界からなぜホテル業界を選んだのかについて説明する必要があります。まず、ホテル業界を志したきっかけやホテル業界就職のために頑張ったこと(資格など)を書きます。

次にホテル業界就職を目指していることを実際の経験を根拠に書くと、ホテル側にもその熱意を感じてもらえます。

この時、注意すべきことは、ホテル自体やそのサービスが好きなことだけを熱心に伝えることです。そのホテルが好きというだけでなく、支えていきたい、貢献していきたい、といったホテルを運営する側に立った視点が盛り込まれていないと熱意が伝わることはありません。

3.なぜそのホテルを志望したのか? (企業分析)

志望するホテルに勤めてどうホテルに貢献したいかを書けると、より熱意が伝わり、一緒に働きたい!と思ってもらえる可能性が高まります。ホテルの仕事はチームでの協力が不可欠です。個々の役割が異なるスタッフが、お客様に最高のサービスを提供するために連携し、情報を共有します。周りに配慮し、チームプレイができたり、お客様を満足させるために挑戦ができる人は非常に好まれます。ホテルの評判を高め、お客様に信頼されるために貢献できる存在であることをアピールしましょう。

3.志望動機の書き方

さて、志望動機に書くべきポイントを理解した所で、実際に志望動機を書いてみましょう!志望動機は「なぜ数ある企業の中でホテル業界のこのホテルを志望したのか?」を理解してもらうことがゴールです。自己分析や、そのホテルが得意とするサービス、そこで成長できる専門性、他のホテルと比較したときの強みなどを深く研究したうえで、なぜそのホテルを志望するのかを明確に説明できるよう準備をしましょう。4ステップです!

1.自己分析をする

志望動機を書くにあたって、自己分析を行います。

ここではあなたがホテル業界を志すようになったきっかけや、ホテル業界で働くにあたって、どのように活躍したいかなどを考えます。

たとえやる気があったとしても感動したホテルでの経験や好きだったことなど具体的な経験が結びついていないと、説得力に欠け、本当か?と疑問に思われてしまう可能性があります。

なぜホテル業界を目指すようになったのか、きっかけと合わせて考えることで、あなたの志望するホテルに入りたい!という確固たる意志を確実にホテル側に伝えられるようにしましょう。

2.企業分析をする

次に企業分析を行います。
次はホテルがどんな人を求めているのか考えます。もちろん、志望するホテルがどのようなサービスを行っていて、施設にどんな特徴があるのか理解することも重要だとは思いますが、最も大事なのは「どんな人を求めているのか」です。求める人物像は大抵のホテルで採用ページに書いてあります。この人物像にあなたがどれくらい近いのか、どの部分がどのように近いのかについてじっくり考えてみましょう。

適切に自己分析を行い、志望動機を書いたとしても、ホテル側が採用したいと考えるような人でないと採用は見送られるでしょう。ホテル側にあなたがホテリエとしてふさわしい事をアピールするためには、これまでにお伝えした自己分析、企業分析を必ずセットで行わないといけないのです。

3.集めた情報をもとに文章に作る

さて、志望動機に書く情報がそろったので最後にそれらを組み立てて志望動機を完成させましょう。組み立て方は以下の通りです。

1.  なぜそのホテルを志望するのか一言で表す
2. 具体的な志望動機
3. (2)に納得してもらうための理由(具体的なエピソード)
4. 採用後ホテルに対して自分がどう貢献できるか

これで、志望動機の文章が完成したわけですが、そのまま完成とはいきません。必ず最後にチェックをしてくださいね。

4.チェックする

文章ができたら、誤字脱字、文章の筋が通っているか、ホテル側の立場で採用したいと思えるか、について最後にもう一度チェックをしましょう。

文章を修正して納得がいったら晴れて志望動機の完成です。

4.採用される志望動機の例文3選

ここでは志望動機の例文と良い点を紹介します。
志望動機の書き方や内容で考えるべきことを紹介しましたが、実際に書く際はこれから紹介する例文を参考に文章のボリュームや経験の伝え方等を感じ取っていただけたらと思います。

例文①

私が貴社を志望した理由は観光事業をより活発にすることで地域の発展に貢献したいと考えたからです。私は小さい頃から旅行が好きで、中でもホテルという非日常を体験できる空間にとても憧れを持ちました。その中で、私も非日常の空間を提供し、お客様に満足して頂けるような存在になりたいと強く考えるようになり、ホテル業界を志望しました。特に、貴社の「地域に貢献する」という理念に共感し、ホテルというサービスを通して地域に貢献できる機会が多い環境で働きたいと考え貴社を志望しました。大学で培った、語学力、小さなことでも見落とさない観察力そして自らが成長できる貴社の環境を通して貴社のさらなる発展のために努力いたします。

良い点
・志望理由を最初に一言で表せている
・自らの体験と求める人物像をリンクさせ説得力を増している
・最後にホテルでどう活躍したいかが簡潔に示されている

例文②

貴社を志望する理由は、お客様に本当に喜んでいただける仕事をしたいという思いからです。過去のインターンシップやイベントへの参加を通じて、間接的ではありますが、お客様と関わる仕事を経験することができました。ホテル内のシステムの改善や新しいサービスのデザインに参加、新たな広報戦略の立案や実施といった、直接お客様とは接することがないものの、お客様に喜んでいただくための業務に取り組んできました。これらの業務を行う中で、お客様からの喜びの表情や感謝の言葉は地味な作業にも意義を感じさせてくれました。
このような経験から、お客様の喜ぶ姿を見ることが、私の仕事における一番のやりがいであることを確信しました。さらに、私は新しいことに挑戦することが好きな性格であり、そのような挑戦的な環境で働きたいと考えています。
貴社は長くホテル業界を牽引してきた大規模な企業でありながら、コロナ禍におけるマイクロツーリズムへの対応や、当時人通りが戻る予想が無かった都心部に新ホテルを開業させるなど、他社が手がけていない斬新な取り組みを率先して行ってきました。私もそのような環境で、新たな挑戦を続けたいと考えています。

良い点
・過去の経験をもとにホテルを志望した理由をかけている
・企業研究がしっかり行われており、具体的なホテルの取り組みを挙げている
・経験やホテルの取り組みと自分の人柄をうまく合わせて紹介できている

例文③

貴社を志望した理由は、学べる機会が多く、ホテリエとしてすぐに成長できると考えたからです。私は大学時代、ホテル業界のインターンシップに多く参加し、ホテリエに必要なスキルを磨きました。その中で貴社の総合職は転職することなく全国各地で働けることや、支配人になるスピードの速さなどの特徴があり、成長意欲が強い自分にとって非常に魅力のある環境であると考えました。全国の様々な環境で成長し、お客様から長く愛されるホテル作りを行いたいと考えています。

良い点
・志望するホテルの経営方針を反映させている(企業研究がしっかりできている)
・ホテルの考えと自らの人柄を結び付けている

5.これはウケが悪い!NG例文3選

NG例文①

私は幼少期から旅行が好きでしたその中でも記憶に残っているのはホテルに友達と宿泊し、みんなで記念写真を取ろうとしていた際に、スタッフの方に「お写真お撮りしましょうか?」と声をかけていただいた事です。他にもレストランでサプライズをしていただいたり、おすすめの観光地を親身に教えてくださったりし、ホテルのサービスにとても感動しました。だからこそ、私が体験したように、ゲストの体験をより良いものにし、また行きたいと思わせることができるようなホテリエにぜひ私もなりたいと考え、貴社を志望しました。

NGな点
・志望理由(結論)が分からない
・なぜこのホテルを志望したのかがわからない
・意気込みがなく、入社後の姿が想像できない

NG例文②

貴社を志望する理由は、お客様に満足と喜びを提供することへの熱い思いです。これまでの経験から、お客様の満足度向上に貢献する業務に携わってきました。例えば、ホテル内のシステム改善や新しいサービスの企画に関わるなど、直接的な顧客対応ではないが、お客様の体験向上に貢献する業務に従事しました。お客様の喜ぶ様子や感謝の言葉を見聞きすることで、地味な作業でもやりがいを感じました。
このような経験から、お客様の喜ぶ姿を見ることが私の仕事における最大のモチベーションであり、それに貢献することが何よりも重要だと感じています。また、私は新しい挑戦を好む性格であり、そのような意欲的な環境で働きたいと考えています。

NGな点
・経験が具体的に書かれていない
・文章中で紹介された性格が経験と結びついておらず、理解しにくい
・ホテルの考えなどを研究した跡が見られない

NG例文③

学べる機会が多く、ホテリエとしてすぐに成長できると考えたからです。私は大学時代、ホテル業界のインターンシップに多く参加し、ホテリエに必要なスキルを磨きました。その中で貴社の戦略は成長意欲が強い自分にとって非常に魅力のある環境であると考えました。入社後はホテリエとして、全国の様々な環境で成長したいと考えています。

NGな点
・具体的にどの戦略に魅力を感じたのかが書かれていない
・最後の意気込みがホテルへの貢献や熱意と結びついていない
→熱意を感じにくい志望動機になっている

5.履歴書・面接の準備をしよう

自己分析、企業研究が終わればそこから履歴書や面接の準備は比較的スムーズにできます。以下の記事も併せてチェックして最速で内定獲得をしましょう!!

6.まとめ

今回はホテル業界で働く際の現状、志望動機の書き方、盛り込む内容、例文をご紹介しました。
志望動機を書く際は自己分析、企業研究、文章のフレームを特に意識し、一貫性のある文章を作成することが重要です。評価される志望動機を作成し、ホテルの内定を勝ち取りましょう!