ホテル業界を目指すみなさんが書類選考を突破した先に待っているのが面接です。アルバイト、就活、転職でも必ず面接があります。そこで、面接で準備するべきことやホテル業界の面接でよくある質問を理解し、万全の準備で面接に臨みましょう!
記事の目的
面接時のマナーや質問、対応方法を理解し、面接の準備をする。
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1.なぜ面接をするのか?
面接を控えているあなたはおそらく不安だと思います。しかし、書類選考を通過し、面接の案内をされたあなたは志望するホテルから、「あなたがどんな人か気になったので話したい!」と言われたも同然です。面接の準備と志望するホテルに入りたいという確固たる思いがあれば恐れることはありません。堂々と面接に臨むことができます。
ゴールは「一緒に仕事をしたい!」と思ってもらうこと
面接では、志望するホテルに採用してもらうため、しっかり自らをアピールする必要があります。ここで意識したいのが、面接する側(ホテル側)にとってはエントリーシートに書かれている学歴や趣味、特技なども見はしますが、最も重視しているのは人柄ということです。つまり、面接で話していて「この人と一緒に仕事をしたい!」と感じてもらえるかが合否を分けることとなります。ホテル業界に就職している人は
・協調性がある人(ホテル運営はチームプレイ!)
・語学力がある人(英語で接客できたら重宝される!)
・接客が好きな人(ゲストと親しくなれる!)
・観察力がある人(ホテルのイメージアップ!)
これらのいずれかである事が多いです。自らが志望するホテルへの就職を強く希望し、仕事に対する姿勢や人柄もそのホテルの求める人物像に合っていることを面接を通してアピールすることが必要です。「一緒に仕事したい!」と思ってもらうことがあなたがめざすゴールです!
2.面接時の身だしなみ
面接に臨むときにまず気になるのが面接時の身だしなみだと思います。この点については基本的に他業界の面接と同じです。面接に限らず、人間関係というのは第一印象が非常に大事です。ましてやホテル業界は接客業です。
最近は一部の業界でカジュアルにしようと、面接時に服装や髪型などで判断しない企業もありますが、ホテル業界に限って言えば面接時の身だしなみはしっかり見られているので特に気を遣わなければいけません。
以下4点を気を付けましょう!
服装・靴
服装・靴ですが、これは各ホテルの指定に沿い、指定がない場合はスーツと革靴またはヒールです。色は黒が基本で、スーツはリクルートスーツが最善です。また、最近ではビジネスカジュアルと指定される場合があります。分かりにくいですよね。
この場合
・体のラインが出すぎたり、露出の高い服は避ける
・派手な色や素材、柄物は避ける
・高すぎるヒールや歩くときに音が出やすいパンプスは避ける
を守りつつパンツ、シャツ、ジャケットの3点セットで問題ありません。
なお、面接で着用する服が原因で、清潔感がないと感じられてはいけませんから、事前にアイロンやクリーニング等をしてきれいな状態で面接に臨みましょう。
髪型
髪が原因で面接官に悪印象を持たれてしまうのは非常にもったいないことです。
目立たない髪色、すっきりした髪型(髪が長すぎない、お辞儀したときに髪が垂れすぎない etc…)にしましょう。
具体的には、眉毛と耳が見える髪型にすると、面接時に顔全体が見え、爽やかさが伝わったり、表情が伝わりやすく、面接官の自然に印象が良くなるのでおススメです。
面接用の髪のセットに自信がない場合は事前にヘアセットの練習をしておくことをお勧めします。
最近ではYoutube等で就活用の髪型セットの動画が多く上がっていますので、これらの動画を参考にしながら練習をしてみましょう。当日ぶっつけ本番は100%上手く行きませんし、髪型に気をとられて肝心の面接に集中できなくなる可能性もあるので、余裕をもって準備しましょう!
化粧・ネイル
ホテル業界での就職面接において、化粧とネイルは重要なポイントです。
まず、化粧については、控えめで清潔感のあるメイクが好ましいです。接客業に携わる人としては自然な印象が大事であり、派手なメイクや強調しすぎたカラーは避け、第一印象で悪印象を持たれないように注意が必要です。
次に、ネイルについてです。書類を手渡すときや面接中に爪が見える機会があります。こちらも清潔な印象を持ってもらう時に必要です。ホテル業界では清潔感が求められるため、爪は適度な長さ(1~3mm程度)に整え、ベージュや薄いピンクのような控えめな色にしましょう。ネイルが派手すぎると、お客様へのサービスに違和感を与えてしまう可能性があります。
清潔感が大事
ここまで事前の準備に関して気を付けるべきことをお話しましたが、いかがでしょうか?これらの事を意識すれば、面接時に身だしなみ関係で印象が悪くなることはないでしょう。
面接時は清潔感が命です。
これは面接時のみならず、ゲストの接客をする際や、他の人と会う際も同様です。社会人の基本となる清潔感という考え方は常に意識するようにしましょう。
その他の身だしなみに関しての注意事項として、たとえ目立たなくてもタトゥーがある状態でホテル、特に大手のホテルや旅館の面接に行くことはやめましょう。まず採用されることはないと言えます。最近では若者向けのホテルで目立たない部分のタトゥーを許容する例も見られますが、日本のホテル業界に就職するにあたっての風当たりは非常に強いでしょう。
3.面接時のマナー
面接に臨む際の身だしなみの注意点を理解したところで、次は面談時のマナーについてお伝えします。
分からない場合は面接官や近くの社員に質問をすれば答えてくれるとは思いますが、あまりにも面接時のマナーについて知らない場合は常識がない人と受け取られてしまいます。以下の面接時のマナーをしっかり押さえましょう!
第一印象は大事
面接会場には約5分前に到着するようにしましょう。
そして会場に着いたあとですが、面接はホテルに入った時点で開始されていると考えてください。面接に当たって受付や清掃員、宿泊されているゲストに会うことがあるかもしれません。
彼ら彼女らはもし自分がそのホテルでホテリエとして働くことになった際に共に働く仲間やおもてなしをする相手です。丁寧にそして優しく接するようにしましょう。
某カフェの面接でよくある、面接後に他のスタッフに面接者の印象を聞いて合否の判断材料にすることのように、もしかしたらあなたを見ているかもしれません。第一印象は極めて大事な為、ホテルに入ったときからマナー、所作に気を付けましょう。
言葉遣い
次に言葉遣いです。ホテル業界はサービス業です。接客が命となるこの業界では言葉遣いに特に気をつけなければいけません。カジュアルすぎる表現になっていたり、二重敬語、言葉の意味をはき違えて使っていたりするのはNGです。事前によく使う表現などは正しいかどうか調べたり、目上の人と話すときに正しい敬語を使っているか意識してみたりすると、面接でも正しい言葉遣いができ、面接官に好印象を持っていただけるでしょう。
面接の手順
次に所作です。これに関してはどの面接でも基本となる知識ですので必ず押さえましょう。
1.入室
ドアを開ける前に3回ノックをし、面接官から「どうぞ」と言われてから、はっきりとした声で「失礼します」と言いドアを丁寧に開けましょう。
入室したらドアの方向に向き直り、ゆっくり両手でドアを閉めます。
2.面接中
面接室に入ったら基本的に面接官の指示に従いますが、何も言われなかった場合は席の横に立ち、名前や所属を言い、最後に「本日はよろしくお願いします」と言います。
その後、「おかけください」と言われたら座りましょう。
なお、この時の姿勢が悪いと悪印象を持たれてしまうので注意しましょう。
荷物の置き場所が指定されたらそのタイミング、言われなかった場合は席の横に置きましょう。
3.退室
面接が終わると席の横に立ち、「ありがとうございました」とはっきりした声で言います。
その後、ドアの前でもう一度面接官に一礼し、丁寧にドアを開けた後、退室をします。
4.面接でよく聞かれる質問9選
面接にあたり、内容以外の準備はこれで完了です。ここからはいよいよ面接の内容に関する準備をします。
ここでは事前の書類を作成したときに、自己分析・企業研究が十分に行われている前提で話を進めていきます。自己分析・企業研究がまだ十分に出来ていない場合は「ホテル志望動機」で準備をしましょう。
1.自己紹介
最初に聞かれることと言えば自己紹介か志望動機でしょう。自己紹介では応募者がどんな人か知ってもらうために1分以内で簡潔に説明します。
・話が長くないか?
・話し方に問題はないか?
・どんな人柄なのか?
・アイコンタクトできているか?
などが見られています。
例文
in the HOTEL大学経済学部4年の〇〇です。
大学では開発経済学を専攻しており、卒業論文では、観光業が発展途上国に与える影響ついて研究しています。
趣味は旅行で、月に一回程度一人もしくは友人と旅行をしています。その時に毎回宿泊するホテルの歴史や施設の特徴について調べ、宿泊時にホテルに滞在している時間を最大限楽しむことが好きです。
本日は、このような貴重な時間を頂きありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
王道フォーム
(1)所属・名前
(2)大学で学ぶ内容を簡潔に紹介
(3)趣味or頑張っていることを一つ紹介
(4)内容を掘り下げる
(5)感謝の言葉
気を付けるポイント
・(4),(5)の質問はあなたの印象を決定する大切な内容です。
・(4),(5)はその後の質問で掘り下げられる可能性が高いので詳しく話せるよう準備しましょう。
2.志望動機
次に志望動機です。これは事前に考えてきている場合がほとんどなので詰まることなく話せるのではないでしょうか。
・仕事観がホテルの方針とマッチしているか?
・希望の職種に適しているか?
・本当にこのホテルに就職したいのか?
などが見られています。
例文
私が貴社を志望した理由は観光事業をより活発にすることで地域の発展に貢献したいと考えたからです。
私は小さい頃から旅行が好きで、中でもホテルという非日常を体験できる空間にとても憧れを持ちました。その中で、私も非日常の空間を提供し、お客様に満足して頂けるような存在になりたいと強く考えるようになり、ホテル業界を志望しました。
特に、貴社の「地域に貢献する」という理念に共感し、ホテルというサービスを通して地域に貢献できる機会が多い環境で働きたいと考え貴社を志望しました。
大学で培った、語学力、小さなことでも見落とさない観察力そして自らが成長できる貴社の環境を通して貴社のさらなる発展のために努力いたします。
王道フォーム
(1)なぜ志望するのか一言で
(2)具体的な志望動機
(3)(2)を納得してもらうための理由(具体的なエピソード)
(4)採用後どう貢献できるか
気を付けるポイント
・自己分析、企業研究の質で評価大きく左右される質問です
・(3),(4)ではホテルの求める人物像やホテルの取り組みを挙げるとGOOD
・接客、ホテル業界を選んだ理由などを問われたらこの問いで考えた事をもとに説明しましょう
志望動機の書き方詳細はこの記事をチェック!
3.学生時代頑張ったこと(ガクチカ)
この質問は悩む学生が非常に多い質問です。
しかし、この質問では凄い活動を紹介するのが目的ではありません。「あなたがこれまで乗り越えた困難を1つ教えてください」と聞かれているのと同じです。
これまでの人生での学校生活、アルバイト、サークルで最も困難だったエピソードを思い出してみましょう。悩んだ時こそ面接官がなぜその質問をしているのか冷静に考え、それに対する答えを考えることを第一に考えましょう。
・あなたの性格、人柄、考え
・どのようにして困難を乗り越えたのか?
・長く続けられるか?
などが見られています。
例文
私の強みは計画性です。大学1年生の時、当時苦手だった英語の能力を伸ばし、将来の選択肢を増やしたいと考え、英語の資格を取得することを目指しました。しかし、授業が週18コマあったことや、アルバイトとの兼ね合いから、資格試験対策に充てることができる時間は非常に限られ、効率的な学習が必須でした。
そこで、資格試験の難易度や日程を考慮し、試験合格と今の自分との距離を明らかにしたうえで、1日ごとの勉強計画や1週間、1か月単位での目標を立て、学習計画を徹底的に管理しました。その結果、ゼミやアルバイトと両立しながらも、英語の資格試験に合格することができました。
その後、学生生活を通して様々な試験や活動でも目標を立て、計画的に物事を進められるようになり、同じ時間あたりにできることが増えました。この計画力を生かし、ホテル業界においても難しい業務に着実かつ効率的に取り組み、貴社に貢献したいと考えています。
王道フォーム
(1)強みを一言で
(2)乗り越えた出来事の課題
(3)解決方法
(4)結果
(5)出来事を通した学び
気を付けること
・内容に矛盾は厳禁
・強みではなく、出来事とそこからの学びにフォーカス
・長期的なエピソードがGOOD
・文章ができたら一度面接官の気持ちになって違和感がないか確認
・嘘は厳禁、話を盛る際は決して違和感がないように
4.長所・短所
この質問もよく聞かれます。この質問も事前に自己分析を行い、企業が求める人物像に沿って、短所の対応や長所の生かし方をまとめて、簡潔に話せるようになりましょう。
・適切に自己分析できているか?
・人柄の観点からホテルとの相性が良いか?
などが見られています。
例文
私の長所は計画性がある所です。大学1年のころ、ホテル業界でより活躍するため、ゼミ、アルバイトがある中で英語の資格の取得を目指しました。
しかし、勉強に充てられる時間が限られていたことから、資格試験の難易度、日時から逆算してゼミやアルバイトの隙間で1日ごとに何をするか、1週間でどのレベルに到達するかを徹底的に計画し、計画通りに学習を進めました。
その結果、ゼミ、アルバイトと両立しながら資格試験に合格することができました。この計画性を生かし、ホテリエとして仕事を進めることで、御社に貢献したいと考えております。
王道フォーム
(1)長所or短所を一つ紹介
(2)長所を生かせた、実感したエピソード(課題・出来事)を一つ紹介
(3)エピソードを踏まえた成果・改善策
気を付けるポイント
・長所はホテルの求める人物像と離れすぎていないか確認しましょう
・短所は社会人としておかしいものではないか確認しましょう
・エピソードについて深堀されても答えられる準備をしましょう
長所・短所の書き方詳細はこの記事をチェック!
5.ホテルでどのように働きたいですか、〇年後どうありたいか
この質問では採用された場合、どのようなキャリアプランを考えているのかを話します。具体的な年数やどの部分をどう成長させたいかなどを話します。
・しっかりと自己分析できているか?
・成長したいという意思があるか?
・ホテルに馴染める人か?
等が見られています。
例文
貴社がこれまで築き上げたホテリエのノウハウを吸収し、いずれはバトラーとして世界の要人にお仕えできるように技術を磨いていきたいです。
学生時代に学んだコミュニケーション力、語学力、状況判断能力を生かしつつ、多くのお客様から信頼されるようなホテリエになりたいと考えています。
王道フォーム
(1)あなたの将来の姿
(2)(1)に近づくためにどうしたいか
気を付けるポイント
・将来の姿を考えるのは就職、転職活動を行う際に必須です
・文章がどうしても抽象的になってしまうので、具体的な説明が求められることも予想しておきましょう
5.外資ならではの質問4選
日系のホテルであれば面接での一般的な質問で終わることがほとんどですが、外資系ホテルでは面白い質問が飛んでくることがあります。その一例を簡単にご紹介します。
1.なぜ私たちはあなたを採用するのですか
これはホテルが面接者を採用した場合、そのホテルにどんなメリットがあるのか?ということを問うています。かなり難しい質問ですよね。
これは志望動機と長所・短所の質問を合わせたものです。
・会社の事業内容を詳しく調べられているか?
・適切な自己分析ができているか?
が見られています。
王道フォーム
(1)自分の長所を一つ上げる
(2)それを生かしホテルに貢献できることを一つ上げる
(3)主張を補強するエピソードを一つ話す(事実、課題、解決策、結果の順番)
(4)貢献できることをもう一度主張
2.人からどんな人だといわれるか
これは長所短所を教えてくださいという質問の派生版といえるでしょう。長所短所を理解したうえで、あなたはどんな性格なのかを簡潔に伝えます。
王道フォーム
(1)あなたの性格を一つ紹介
(2)言われた人とのエピソードを一つ紹介(課題・出来事)を一つ紹介
(3)エピソードを踏まえた成果・改善策
3.これまでの接客経験の中で最も対応に困った経験は何?どのようにして対処したのか?
ホテルやアルバイトで接客をしたことがあると答えた場合に聞かれることがあります。これはエピソードを一つ選んで簡潔に話し、そこからどういう学びを得たのかを答える質問です。
事前に接客での印象的なエピソードをいくつか思い返しているとしっかりとした答えを言えるでしょう。
4.なにか質問はありますか?(逆質問)
「〇〇さんの方から聞いておきたいことなどはありますか?」という面接官に対して質問を求められた場合は1問程度聞くことを心掛けましょう。
この通称「逆質問」では面接官のホテリエとしての体験や採用後にすべきことなどを聞くことが多いです。
・このホテルで働く意欲はあるか?
・ホテリエに対する関心はあるか?
・面接者がホテルのどんなことに興味を持っているのか?
等を見られています。
逆質問は大きく分けて
・社員にフォーカスした質問
・入社後の姿に関する質問
・会社の業務内容にフォーカスした質問
の3つに分けられます。思いつかない!という場合はこれらのうち1つのジャンルに絞って考えてみましょう。
6.面接で会社の雰囲気が分かるかも??
ホテル側が面接を通じて皆さんの人柄や仕事観を知れるように、面接を受ける側も面接を通して一部ではありますがホテリエの雰囲気や働く環境を探ることができます。
ここで大事なのが、もしかしたら志望するホテルの労働環境が事前に伝えられていたものより悪い可能性があるということです。
・サイト書かれているに労働条件があいまいで逆質問で聞いても曖昧な答えが返ってくる
・その場で内定が決定し、早急な入社を求められる
・自分の人柄や価値観を探るような質問がほとんど来ない
以上のような特徴がみられた場合はもう一度そのホテルを調べ直してみると良いかもしれません。十分注意しましょう。
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7.まとめ
今回はホテル業界の面接を受ける方へ面接時に気を付けてほしいことや想定される質問と例文、文章の内容についてお話しました。面接はどれだけ業界やそのホテルについて詳しく調べ、準備をしてきたかで結果が大きく変わります。早めの準備を心掛けましょう!